FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

公爵と百万ポンドの花嫁/ジュリアン・マクリーン

公爵と百万ポンドの花嫁(オーロラブックス)

公爵と百万ポンドの花嫁(オーロラブックス)

 ヒストリカルロマンスを読み始めて日が浅いのだが、「身分違い」という障害にはしばしば出くわしてきたものの、「文化の違い」という障害に出会ったのは久しぶり(リサ・クレイパス「壁の花」シリーズ以来)だったので新鮮に感じられた。この十九世紀末のイギリスを舞台にしたロマンス、ヒーローはイギリスの公爵。ただし、それほど金持ちではない。ヒロインは一代で成り上がった父親を持つアメリカ人の娘。こちらは唸るほどの金銭を持つ大富豪。
 二人はロマンス小説の主人公達にしてはあっさりと結婚できる(ネタバレしてごめん……)だが、葛藤はそこから始まった。なにせヒーローの家庭はたっぷりと問題を抱えていたから。
 男女の愛のみならず、家族愛が絡んだロマンスがお好きな方にお勧めしたい。
 新婚旅行のときとこれほど態度を変える夫&頑固で形式ばった姑に耐えるヒロインは偉い。