FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

視覚の魔術 だまし絵 その3

 大変楽しい展示会だったが、惜しいことが一つある。あるだまし絵のタイトルと作者名を控えておかなかったことだ。
 アルチンボルドと同じコーナーに置かれていた絵画で、しかし作者名はアルチンボルドではなかった。
 ハプスブルク家の王者を描いた肖像画で、右から見ればそれぞれ代の異なる王様二人並んでいる肖像画で、それが左から見た瞬間、また別の王様が、たった一人で中央に佇んでいる肖像画に変わる。見る角度によって肖像画の中の人数が異なるので、絵の前を通り過ぎた瞬間、かなりぎょっとする(ゴシック小説に取り入れたら面白そうだ)
 仕掛けは単純で、絵画の表面に無数のVの形の溝があり、その溝のそれぞれの側に異なる肖像画が描かれていて(王様が二人のものと、一人のもの)だからこそ、見る位置によって内容が変わって見えるらしい。
画家の名前と作品名、検索して調べてみたのに分からなかった。メモしておくべきだった。反省。

 絵葉書を五枚も買ってしまった。早速一枚友達に出し、使ってしまった。
 ミステリや幻想小説のファンで、美術にも関心がある人が見れば大喜びかも。

図説 だまし絵―もうひとつの美術史 (ふくろうの本)

図説 だまし絵―もうひとつの美術史 (ふくろうの本)

名古屋市美術館で、この筆者の講演会もあったらしい。行きたかった。