FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ホット・ファズ 俺達スーパーポリスメン!/エドガー・ライト監督

 
 大傑作。
 まだ2009年の1月が始まって間もないが、紛れもなく2009年の最高傑作である。これ以上の映画が出てくれば、むろん嬉しい。先月見ていたら、これが2008年のベストになっていた。
 高い学歴と、抜群の業績を誇る警官ニコラス。彼は、彼の活躍を嫉む上役と同僚により(面と向かってそう言われた)それまで働いていたロンドンから追い出される。新たな勤務地は田舎町サンドフォード。一見したら平穏そのものの町だった。
 そのせいか、警官達にはやる気なし。互いに知り合いの住人達は新入りの警官に好奇心むきだしで、ニコラスを辟易とさせる。スーパーマーケットでの万引きや迷子になった白鳥探しに駆り出され、曲者揃いの同僚はニコラスを苛立たせる。中でも相棒ダニーは刑事映画が好きで好きで、ニコラスに見当違いの憧れを抱いている。やがて町の中で死が続く。ニコラスは連続殺人事件の可能性を疑うが、ダニーの父である警察署長を初め、皆が事故だと信じて疑わないのだ。
 実は2008年6月に皆川博子さんの講演会で会った関西人の映画好きの友人に「すごく面白いよ」と言われ、2009年1月の名古屋創元推理倶楽部の新年会でも、名古屋人の映画好きの友人に「ぜひ見てみてよ」と言われた。
 それも納得。
 比較的まともに、そしてちんまりとまとまっていくかと思いきや、クライマックスでの怒涛の展開には口あんぐり。ここってどんな町よ。
 白鳥!白鳥!!
 見るものの度肝を抜く展開と、最後まで手を抜かない根性には素直に頭が下がる。事前の情報は何一つ入れずに見るのがお薦め。
 感服。次は『ショーン・オブ・ザ・デッド』に向かいます。