FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

呪い村436/マイケル・マックスウェル・マクラーレン監督

 これぞホラー映画!
 国勢調査員スティーヴが、調査のために訪れた片田舎の村ロックウェル・フォールズ。一見して平和で平穏な村だが、なにかがおかしかった。ずっと変わらない436人という人口。村の学校で子供達に教えられる不穏当な歴史。そして村の人々が口々に唱える祈りの言葉さえ、どこか閉鎖的で不吉なものが感じられる。
 幕開け、スティーヴが途上に立ち寄ったガソリンスタンドで「ロックウェル・フォールズ」の町の名前を出した途端、全員が背を向け、店の中へと入っていくシーンから、すでに「恐怖の田舎町」ものの香りが強く立ち込めている。
 「ロックウェル・フォールズには犯罪などない」保安官はそう言うが、本当にそうなのだろうか。スティーヴは調査の手助けをしてくれる若い保安官ボビーに友情を抱き、それでいながらボビーの恋人コートニーと惹かれ合う。
 やがてスティーヴは知る。町の人々は時として「熱病」にかかることを。それもロックウェル・フォールズを脱出しようとする人々だけが。スティーヴは、孤児となった少女アマンダが「熱病」にかかり、病院に入院(……監禁……?)中であることに気付く。やがてスティーヴはこの町の異常さに気付き、脱出を試みる。コートニーとアマンダを連れて。
 のどかな風景の美しさ、町の人々が強く抱く狂気、グロテスクな祭り、陰惨極まりないラスト、これが良質のホラー映画というものである。実に良かった。
傑作。