FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

死んでもいきたいアルプス旅行/マディ・ハンター

死んでもいきたいアルプス旅行 (扶桑社ミステリー)

死んでもいきたいアルプス旅行 (扶桑社ミステリー)

 死んでもいきたくないアルプス旅行三重殺人付き。いや行かないと殺すと言われたら行く。しかしこのツアー、行っても殺される可能性もまた高し。
 エミリー二十九歳。バツイチ、現在無職。祖母マリオンのお付きとして高齢者ばかりのスイス旅行に参加した、根性の悪い女たらしのツアー添乗員が殺されたたため臨時の添乗員を引き受けた(金目当て)。だがツアーに参加する高齢者は元気な上に曲者揃いで、しかもスイスの観光地では宿泊するホテルの従業員の態度を初めとして嫌な目に連続して遭う。極めつけはツアー参加者が次々と殺されていくことだった。
 こんなスイス行きたくない。特にこんなホテル泊りたくない。正直スイス政府に訴えられそうな作品である。死体の数はそこそこ出てくるが、謎解きの要素は皆無に近い。登場人物同士のやり取り&ヒロインと男前の警察官との恋愛を楽しむユーモア・トラベル・ミステリである。
 意外に添乗員及び殺人事件に適性が合ったのか、ヒロインはこの先も添乗員をやりつつ殺人事件に巻き込まれるようだ。そこそこ面白かった。ユーモアに関してはカワカマスの部分に笑った。もう少しミステリの度合いを高くしてくれるとなおいいのだが。