リーピング/スティーヴン・ホプキンズ監督
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/07/09
- メディア: DVD
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「イナゴ少女、現る」というなにかを途方もなく間違えたようなキャッチコピーと、DVDの表紙のため、見逃したホラー映画ファンは多いんじゃないか。良質のホラー映画である。
キャサリンはかつては理想と熱意に燃える牧師だった。だがある酷い事件で夫と娘を失って以来、神への信仰をも失い、いまは「奇跡」と呼ばれる現象を科学的に解明する学者となった。
そんなキャサリンの元へ、ある依頼が持ち込まれた。ある閉鎖的な田舎町で河が、血を思わせる真紅へと変わったのだ。劣悪な家庭状況で育てられたある幼い少女が原因ではないかと町の人々は疑っているという。その娘の兄は河で死んだばかりだったし、おぞましい祈りの声がその娘の家庭から聞こえてきたという情報もあったから。
助手とともに町へと向かったキャサリンは、旧約聖書10の災いが眼前で具現化されていくのを見る。河の真紅は本当に血、家畜は倒れ、虱や虻が大量に発生する。事件を追ううちにキャサリンは、問題の少女ローレンと顔を合わせる。ローレンに亡き愛娘の面影を見たキャサリンは、なんとか事件を解明し、ローレンを守ろうと試みる。
お約束のラストも含め、想像していたよりもずっと面白かった。クライマックスで分かる、ある逆転に喜んだミステリファンも多いはず。ローレンを演じた少女は、設定ゆえに常に小汚い格好をしているが、本当に可愛い少女である。
「イナゴ少女、現る」……これ「アブ少女」でも「シラミ少女」でも「家畜が病気少女」でも「河が人間の血だよ少女」でもなんだっていいじゃいないか。