山魔の如き嗤うもの/三津田信三
- 作者: 三津田信三,村田修
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2008/04/21
- メディア: 単行本
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刀城言耶が悪い意味で金田一耕助化してる。目の前で起きる連続殺人事件をまったく防いでいない。
成人の儀礼のため、山に足を踏み入れた青年。道にまよった彼は、偶然見つけた家に宿を借りる。しかし翌朝目覚めてみると、彼を泊めてくれたはずの一家は全員姿を消していた。
やがて土地の実力者の家で、歌をなぞらえたかのような連続殺人事件が発生する。
『首無の如き祟るもの』ほどではないが、相変わらず高い水準を保っているシリーズである。作者のサービスゆえなのか、もしくは読者であるこちらが慣れてきたのか、『厭魅の如き憑くもの』に比べれば、驚異的なほど読みやすく感じられる。シリーズものの宿命ゆえか、探偵に思いを寄せる女性の存在が目立っていて、そのありきたりな造形がどうにも鬱陶しい。