ゴースト・ハウス/ダニー・パン、オキサイド・パン監督
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2007/12/21
- メディア: DVD
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「なんてベタなタイトル……」見た瞬間そう思ったものの、悪い映画ではない。
シカゴからノースダコタの農村へと引っ越してきたソロモン一家。彼らはヒマワリを栽培する農家として新たな生活を築くため、大都会から流れてきた。彼らの新たな住居は、蔦に覆われた大きな家だった。
十代の長女ジェスは、過去の自分の行いのせいで家族を深く傷つけたことを悔いていた。しかしそれまでとの環境の違いや、緊迫した両親との関係のことで淋しさを感じてもいた。家にいるのは口を利けない、三歳の弟ベンだけだ。
やがてジェスは感じ取る。この農家に、自分達以外のなにものかがいることを。ジェスは親を含めた周囲にしきりに訴えるものの、誰も信じてくれない。ただの気のせい、もしくは他人の気を引きたいジェスの演技だというのだ。ベンも「なにか」の存在を感じているらしいのだが、彼は幼さとハンディキャップから、それを他人に伝えることができない。頼もしい助っ人が現れ、皮肉なことにヒマワリ畑の方は成功しそうなのだ。
ホラー映画として考えたとき、目新しい要素は何一つないものの、安定した面白さを見るものに与えてくれる。ベンがしきりに宙を指差す仕草(傍らにいる母デニースにはなにも見えないのに)や、曇ったガラス窓に残された悪戯書き、群れをなす鴉といった演出もそこそこ怖い。
黄金のヒマワリに取り巻かれた幽霊屋敷というものの、なかなか乙なものである。 最近見た幽霊屋敷映画では、これと並んでジョーダン・バーカー監督『レイクサイド』……こちらは、雪に閉ざされた田舎宿を舞台にしている……が良かった。
数日前に中古ビデオを購入したミッチ・マーカス監督『叫びの家』はなんともかったるいクズ・ホラーだった。