ビーコン街の殺人/ロジャー・スカーレット
- 作者: ロジャースカーレット,Roger Scarlett,板垣節子
- 出版社/メーカー: 論創社
- 発売日: 2007/12
- メディア: 単行本
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「密室二重殺人事件」の邦題で知られた、お館ミステリ好きにとってはたまらないロジャー・スカーレットのデビュー作である。
だが……。
いまひとつ、ぎこちない。ロジャー・スカーレットの正体たるイヴリン・ペイジ&ドロシー・ブレアのコンビの息がいま一つ合ってなかったのかもしれない。後の『猫の手』や『ローリング邸の殺人』に見られたような濃密な雰囲気、絡み合う人間関係の描写の深みも欠けている。
ボストンの実業界、そして社交界で名を上げようとしていた株成金サットンが、パーティーの晩に殺された。傍らには客の一人が呆然と立ち尽くしており、そのものが犯人とされ、事件は簡単に片付くかと思われた。だがその容疑者もまた殺される。
真犯人の造形に、後のスカーレットらしさがあるといえばある。ファンだけ読めばいい作品。
残りは「白魔」!「白魔」!
どこの出版社でも買うよ。