ダンス・マカブル(上)/小麦畑
久しぶりに心臓の真ん中を射抜かれたゴシックホラーゲームに出会った。
異世界ファンタジー育成系ADVの傑作『冠を持つ神の手』や、和風ホラーゲーム『マヨヒガ』、『オシチヤ』などで知られるベテランのフリーゲーム製作者、小麦畑さんの『ダンス・マカブル』である(小麦畑さんの作品としては『デンシャ』がとてもいいと聞いているが、最後のご馳走として残している)。
http://wheat.x0.to/game/danceM/
音響の使い方がうまい、ゴシックホラーのフリーゲームとして、ブリキの時計さんが作られた『クロエのレクイエム』(http://cloeslequiem.uunyan.com/)があるが、この『ダンス・マカブル』もうまい。おそらくは教会に関わる音楽が大半なのだろうが、悲壮さと荘厳さを演出している。そして鐘の音と、数多く集まり床を這うある動物のざわめき。ヒロインの、そしてプレイヤーの視界に不吉に広がる赤と黒。
時代は明記されていないが、おそらくは中世ヨーロッパ。粉屋の娘であるアルエットは目覚めたとき、見知らぬ大聖堂の中にいた。なにも分からぬ彼女を力づけ導いてくれたのは、幼馴染にして愛する少年ラザール。そしてアルエットの前には、黒衣をまとい、奇怪な仮面を着けた男が現れる。この仮面の男を見ると、アルエットの脳裏にはなぜか恐ろしい光景が浮かぶのだ。
アルエットを閉ざされた大聖堂から脱出させるゲームである。謎解きはちょうどいい難易度で、ENDは五種類。
タイトルから、このホラーがどういった恐怖を描いているのか察しがつくむきもあろう。私はフス戦争を描いた大西巷一『乙女戦争』を読んだばかりだったので、仮面の男がどういった人物であるか確信が持てた。そう言えば彼もまた『ダンス・マカブル 西洋暗黒小史』という漫画を描いている。
当ブログにおける『クロエのレクイエム』の感想はこちら
http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20140706
[rakuten:enterking:14452234:detail]
[rakuten:enterking:13813780:detail]
乙女戦争ディーヴチー・ヴァールカ 3/大西巷一【1000円以上送料無料】
- ジャンル: 本・雑誌・コミック > コミック > 青年 > 双葉社 アクションC
- ショップ: オンライン書店 BOOKFAN
- 価格: 669円
ダンス・マカブル 1 ?西洋暗黒小史? (コミックフラッパー)
- 作者: 大西巷一
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2013/07/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ダンス・マカブル 2 ?西洋暗黒小史? (コミックフラッパー)
- 作者: 大西巷一
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / メディアファクトリー
- 発売日: 2013/07/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る