FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04/白石晃士監督

 シリーズ四作目『戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん』である。口裂け女(都市伝説)、幽霊(洋の東西を問わず、普遍的なホラーの題材)、河童(日本古来の妖怪)と来て、次はトイレの花子さん、つまりは「学校の怪談」へと回ってきたのがユニークだ。
 面白いことに、一作目「口裂け女」と三作目「河童」は民俗学的なアプローチがされているが、二作目「幽霊」と「トイレの花子さん」にはややSF的なストーリーの展開が見られる。検索をかけて調べてみると、この四作目には某コズミックホラーの影響が見られるそうだが、この方面にたいした知識のない当方にはどこに影響が見られるのかよく分からなかった。
 今回はディレクターの工藤、助手の女性、カメラマンに加え、投稿者である二人の少女コンビ、そして霊能者の女性が登場する。いかなる因縁があるのか、工藤でさえ、この霊能者の女性には遠慮がちに接している。
 今回はこの霊能者の女性が持つある力のせいで、もっとも登場人物たちの動きが大きく、迫力のある作品になっている。工藤一行が中途で抱くことになる目的と、霊能者のある力のせいで、タイトルになっているにも関わらず「トイレの花子さん」の影がめちゃくちゃ薄かった。
 一見ハッピーエンドで終わるように見せつつ、決してそれでは終わらせない意地の悪さがさすがだった。
 工藤と霊能者が交わしていた会話の本当の意味が早く知りたい。
 次の巻が楽しみだ。