FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ダークスカイ/スコット・スチュアート監督

 経済的な問題を抱えた一家が主人公。子供達がおかしな行動をとり始め、やがて超常現象としか思えない出来事に遭遇するという、大変ありふれた設定とあらすじのホラー映画だが、ある水準には達しており、この種の映画のファンが気楽に怖がり、気楽に楽しむにはちょうどいい作品だ。なかでも二人の子供の演技、彼らの演技とそれを通じて観客を怖がらせる演出はなかなかいい。クライマックスの、いっとき見るものを和ませておいて、それから叩き落とすテクニックにもちょっと唸らされた。
 郊外住宅地に暮らす四人家族。共働きで、男の子が二人。一人は幼く、もう一人は思春期にさしかかり、やや難しい年頃になっている。夫が失業してしまい、夫婦も間にちょっと波風が立ってはいる。だが、よくある、そして幸福な家庭だった。
 やがて家の中になにかが侵入してきたと思しき様子が見られるようになってくる。子供達の体に不思議な傷や文様が現れ、両親は当然やっていない虐待を疑われ、子供を奪われそうになる。社会から、周囲から、孤立する中で、夫婦は必至で「敵」と戦おうとするのだが、その正体すらなかなか掴めないのだ。
 大きな期待をしなければ楽しめる作品。