FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

グランド・イリュージョン/ルイ・ルテリエ監督

 ミステリ小説と魔術の愛称はいい。曾我佳城シリーズをはじめとした泡坂妻夫の諸作品、リチャード・マシスン『奇術師の密室』、ジェフリー・ディーヴァーリンカーン・ライムシリーズ第五作『魔術師』など様々な例を挙げることができる。
 ミステリ映画、もしくはミステリ映画に見える映画と、魔術も相性はいい。 
 ニール・バーガー監督『幻影師アイゼンハイム』、クリストファー・ノーラン監督『プレステージ』、奇術ではなく腹話術だがリチャード・アッテンボロー『マジック』などなど。
 このルイ・ルテリエ監督の『グランド・イリュージョン』も同じだ。妖美さや完成度において、前述の映画作品にはやや及ばず、二時間近い長さもちょっと気になるが、そこそこ面白い。奇術の持ついかがわしさ、うさんくささを味あわせてくれる。
 四人の男女の奇術師で結成されたチーム「ホースメン」。ラスベガスでデビューしたその夜から、彼らは国を超えた有名人となった。彼らはいとも鮮やかにパリの銀行から大金を盗み出したのだ。お次はニューオーリンズ。彼らはまたもや華麗に盗みを働き、そして盗み出した大金を、天災で苦しみ人々に分け与えた。
 FBI捜査官、インターポールからやってきた捜査官、奇術師のネタを暴くのを生業としているという元奇術師、色々な人間が彼ら四人を追い回す。しかし、彼らの大部分は知らなかった。「ホースメン」のメンバーがある人間から選ばれ、ある目的のため、指示を受けていることに。
 五人目の「ホースメン」メンバーにつては、いかにもうさんくさん人間を一人、二人と頭の中で消していき、とすると「最後に残ったあの人が……」と比較的見当がつきやすいのだが、それでもちょっと悩ませてくれる。
 過度な期待をしなければ、そこそこ楽しめる娯楽作。

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