FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

11:11:11/ダーレン・リン・バウズマン監督

11:11:11 [DVD]

11:11:11 [DVD]

 「ソウ」シリーズのダーレン・リン・バウズマン監督によるホラー映画。正直に言って同監督の『デビルズ・フォレスト 悪魔の棲む森』の方がまだしも面白かった。発想は悪くないし、美しさやおぞましさにおいて、ときおりはっとするような場面がないではないが、総合するとマイナスの意味で微妙と言いたくなるような一作。
 ちなみに微妙と言いたくなる理由は、恐怖の根源がおおよその日本人にとって馴染みのないものだから、ではない。このテーマでも、非キリスト教圏の観客にとって面白く見られる創作物はいくつもある。
 原因を考えてみると、(当方はDVDで鑑賞したのだが)画面が暗く、映画の中でなにが起きているのか掴みきれないことが何度もあったということと、最初はがちがちの合理主義者、無神論者だった主人公が、あっさり考えを変え過ぎるという点にある。
 妻子を放火で失った作家のジョゼフ。心の傷が癒えないまま、彼は故郷のスペイン、バルセロナへと足を向けた。病床の父親と、神父の弟が彼を迎える。だが、やがて次々と兄弟の周辺で異様な事態が起こる。やがてジョゼフは異様な事態に必ず「11」という数字が絡んでいることを悟り、自分がなにかの宿命によって生まれてきたのではないかと、考えるようになる。
 どうにもしまらない印象の映画。