デッドタウン・ゾンビ/ジェイソン・ボリンジャー監督
- 出版社/メーカー: エプコット
- 発売日: 2012/04/27
- メディア: DVD
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石を投げればいくらでも当たりそうなタイトルだが、内容は少々変わっている。
なにを書いても、ネタバレになりそうで怖い。
農夫ロバートは、娘の死と、経済的な困窮から、家族との関係が行き詰っていた。そんなある日、平和だった彼の農場にゾンビが現れ、人々を襲い始める。
息子がゾンビに噛まれた彼は、息子を一室に閉じ込めると、薬と食料を取りにいくため、そして他の生存者を探すため、町へと車で向かう。町は死の静けさに満ちていた。
と書くと、ありふれたゾンビ映画のようだが、前述の通り、ちょっとした変化球の作品である。
ゾンビが農場に現れたあたりから、夫の言うことはどこかおかしい。妻の言うこともどこかおかしい。見るものは違和感を抱えながら、ロバートの行動を見守るしかないのだ。
やがて死の町にもゾンビは現れ、ロバートは生き伸びるために殺戮を続ける。
要は、「人間が、自分のよく知っているはずの相手も含めて、まるっきりコミュニケーションのとることのできない怪物になってしまうゾンビ映画を、そのまま反転した」ホラー映画である。
この真相、比較的早い段階で気付く人もあろうが、それがはっきりとなってからも、油断はできない展開が待っている。
ゾンビ映画ファンの間では賛否両論が分かれそうな、なかなかの怪作である。