七つまでは神のうち/三宅隆太監督
- 出版社/メーカー: SDP
- 発売日: 2011/12/02
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これは怖い。
母親、真奈はまだ赤ん坊の最愛の娘、さくらが失踪した夢を見、魘される。だが、さくらはちゃんといる。しかも小学生にまで成長して。しかし、さくらが七歳になり、山に遊びにいったとき、本当にいなくなる。
過去に起きたある出来事から、精神のバランスを欠き、救いを求めて父親とともに教会に通う十代の少女、繭。帰りにレンタルビデオ屋に寄ったとき、駐車場で奇妙なものを目にする。ワゴン車の中に目隠しされ、縛られた少女が閉じ込められている光景だ。繭は咄嗟に父親とともに車で、そのワゴン車を追う。
携帯電話の圏外となった山中で、縛られた少女がワゴン車から落ちた。そのままをワゴン車は走り去っていく。父親は少女を繭に任せ、ワゴン車を追う。縛られた少女をよく見たとき、繭はそれが古い知り合いであることに思い当たる。
山中の廃校でロケを行っていた新人女優の麗奈。近くには、嫌な思い出のある森がある。森の中を見て回って帰ってきたとき、麗奈はスタッフから置き去りにされ、撮影現場の学校に一人取り残されてしまったことに気づく。
これらのあらすじが順不同に描かれる。冒頭で日本に置ける行方不明者の数がデータで示され、なんとなく見ているときは、「これは赤ん坊や少女達の失踪を、夢ともうつつともつかない形で描く映画なんだ……」などと思っていると、意外なことに話は一つにまとまっていく。
血や内臓を見せず、雰囲気や間の置き方で恐怖をかき立てていく、いかにも日本のものらしいホラー映画。話の展開が良く見えてこない、序盤は本当に怖い。もちろんラストも怖い。 あのラストって結局「両親もすでに亡くなっている」ってことだよね。
ヒロインの絶叫がいつまででも耳について離れないような、「神隠し」テーマの傑作。