愛の贈り物/リサ・クレイパス ケイ・フーパー
- 作者: リサ・クレイパス,ケイ・フーパー,平林祥
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2010/12/07
- メディア: 文庫
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リサ・クレイパスとケイ・フーパー、二人のロマンス作家がそれぞれクリスマスを舞台にしたロマンスを書いている。二人とも好きな作家だから購入したのだが、正直に言おう、リサ・クレイパス「聖なる夜に誓いを」はなかなか面白かったのだが、ケイ・フーパー「過去から来た恋人たち」はこの作者が結構好きな当方でも今一つ首を傾げる出来だった。
「聖なる夜に誓いを」。一九世紀米国。貧しいアイルランド移民の子から身を起こし、周囲の蔑みを受けながらも、実業家として若くして大成功を収めたジェイソン。彼が花嫁として迎え入れたのは、学友の妹で、ボストンの特権階級の出自の女性、ローラだった。互いが生まれ育った環境はあまりにも違い、二人は新婚夫婦でありつつも、その間に流れる空気はぎくしゃくとしたものだった。しかも夫婦は知らなかった。ジェイソンとローラ、二人は実は以前から互いに恋心を抱いていたのだ。リサ・クレイパスの平均値を少し超える出来栄え。スピンオフ作品も書かれそうだ。
「過去から来た恋人たち」。祖母の策略により、令嬢アントニアは、かつての婚約者ライオンズホール公爵とともに、英国ウェールズ北部の山間の古城でクリスマスを過ごすことになる。やがて二人の前に、亡霊がしきりに現れる。どうやらこの城で、惨劇が起きたらしい。
この物語がつまらないのは、「こんなみえみえの計略に引っ掛かるなよ」と言いたくなるほど、ヒロインがあまりにもお馬鹿さんだからである。まったく同情できない。