殺す女/ウェイン・バーカム
- 作者: ウェイン・バーカム,山中朝晶
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/03/05
- メディア: 文庫
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想像していたよりずっと面白かった。
幼女ラッキーの前で、飲んだくれの父親ポールが母親を殺した。父の脅しにも負けず、ラッキーは警察に真実を話し、ポールは逮捕された。だがラッキーにとっても、ポールにとっても、事件はそれで終わったわけではなかった。
二十一年の月日が流れたとき、美しく成長したラッキーは名前を変え、男達を手にかける連続殺人鬼となっていた。出所したポールは、娘の居場所を求めてさ迷う男になっていた。この父娘に、ラッキーが犯した猟奇的な殺人事件を捜査する刑事フランクが絡む。フランクの眼前に現れる女性のうち、誰がラッキーなのか。
一つ一つの章は短く、場面の展開は早い。雰囲気もゴージャスで華やかだ。ロマンスとグロテスクな殺人というサービス要素も多い。ネタバレに最大限気を使ったならば(例えば、殺人場面でラッキーの顔だけ映さないとか)、百分ぐらいのいいミステリ映画になりそうだ。
久しぶりにサイコ・サスペンスを読んだが、大満足の一冊。