ダージリンは死を招く／ローラ・チャイルズ

ダージリンは死を招く お茶と探偵 (1) (ランダムハウス講談社文庫)

　可もなく不可もない作りのコージー・ミステリ。欠点に一言言いたくなる類のともまた違って印象が薄く、もっとも感想の書きにくい類の小説作品である。
　犬を飼っているヒロインがティーショップを営んでいて、「お茶と探偵」というシリーズ名がつけられているのだが、ちょうどクレオ・コイルのコージー・ミステリ「コクと深みの名推理」を連想させられる（そちらはヒロインがコーヒーハウスを切り盛りしており、猫を飼っているためだ）。クレオ・コイルもヒロインの勝手な暴走ぶりに眉をしかめたくなるが、話としての面白さはクレオ・コイルの方が圧倒的に上である。犯人当てもそれなりだった。
　茶葉鑑定人と菓子職人のティーショップを経営しているセオドシア。毎年恒例のティーサロンで嫌われ者の不動産開発業者が殺され、大事な友人に嫌疑がかけられる。そしてセオドシアは犯人探しを始める。
　インパクトの弱い作品。

名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)