死画像
DVDのパッケージは怖いが、内容はさらに恐ろしい。
一般の人々からの映像の投稿という形をとったホラー映像集。『Not Found』および『ほんとにあった! 呪いのビデオ』のスタッフが集結したという作成陣の質の良さゆえか、当方が見たフェイクドキュメンタリーの中ではもっとも怖い、そしてこれまでに見たすべてのジャンルのホラー映画の中でも屈指の恐怖度を誇る映像集である。
直接人の死の映像が映るわけではない、血も内蔵も出てこない、異様な殺人鬼が登場するわけでもない、しかしこの映像集のラストを飾る「ニュース映像」の怖さ、不気味さはなんとも表現できず、しばらく忘れることはできない。久しぶりにホラーものを見ていて鳥肌が立った。もう少し短くまとまっていれば完璧だった。
ラストの「ニュース映像」以外だと、「死の報告者」が良かった。あの言動以外はごくごく普通の青年に見える彼は死神のごとき存在なのか。あの事故の映像は蛇足だったように思う。
傑作。
同じスタッフで続編シリーズ『呪われた心霊動画 XXX(トリプルエックス)』がすでに世に出ているが、楽しみだ。またクニコ様、出てくるんだな……。
引っ越しました。
引っ越しました。
禍々しい美しさを持つブログを目指していきますが、デザインが使いにくかったら唐突に変更するかもしれません。
アイコンの写真はSQUAREPHOTO様からダウンロードさせていただきました。ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
引っ越します。
これまで当ブログを呼んでくださった皆様、ありがとうございます。
http://hachibinoneko.hatenablog.com/
に引っ越しをいたします。これからもよろしくお願いいたします。
凍った夏/ジム・ケリー
2017度のベストミステリが2つまで決まった。ジェイン・ハーパー『渇きと偽り』、そしてこのジム・ケリー『凍った夏』である。奇しくも「フーダニット」がぞんぶんに堪能できる、どちらも優れた海外の本格ミステリである(あと一冊ぐらい、優れたサスペンスが来ないだろうか)
『凍った夏』は『水時計』、『火焔の鎖』、『逆さの骨』に続く<フィリップ・ドライデン>シリーズの4作目。
極寒に襲われた沼沢地の都市イーリー。寂れた公営アパートで暮らす男性の凍死は当初平凡な事件のように思われた。しかしドライデンが調査を重ねるほど事件は複雑さを増していき、殺人事件は一件では終わらず、やがてドライデン本人の過去ともつながりがあることが分かってくる。
最初はありふれた事件を扱ったありふれたミステリのように感じられるが、ドライデンの調査が進み、物語の真実に近付き、ページが終わりに近づくほど面白さが増していく。幾層もの事実を積み上げ、なぜ被害者たちが殺されたのかを知ったときには、愕然とした感情とともに怒りが湧いてくる。ドライデンとこれまで痛ましさを感じることが多かった愛妻ローラとの関係もまた別の面を見せる。
ひどい寒さに覆われた沼沢地の描写もいい。傑作。