FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明/オリオル・パウロ監督

インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 [DVD]

 

 スペインのミステリ映画である。

 密室殺人を扱った映画という以外の情報を何一つ入れずに見たが、正解だった。

 すごく面白い!

 同じ監督の『ロスト・ボディ』

 http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20140121

 

 も良かったが、この作品はさらに完成度が高い。全編に漂う緊迫感、二転三転するストーリー、そして「最後の一撃」。アガサ・クリスティの稚気と才気とを同時に連想させる芳醇なミステリ映画だ。 耳に入れたときは何気なく聞き流した情報にあとから叩きのめされる快感はない。

 今年はアメリカのテイト・テイラー監督『ガール・オン・ザ・トレイン』といい、

 

 

 

 やはりスペインのアトム・エゴヤン監督『手紙は憶えている

http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20170522

 

といい、様々な形で優れた映画に触れることができ、とても嬉しい。

 さてこの『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』のストーリーである。辣腕の実業家が密室で不倫相手を殺害した容疑をかけられる。実業家が待つホテルに一人の女性が尋ねて来る。法廷での対策のため雇ったのだ。実業家は彼女に打ち明ける。実は実業家と不倫相手は、過去に許されざる犯罪を引き起こしていた。それが現在の密室殺人事件にもつながっているのだと。

 二人の語りの中で、意外な真実が次々と明らかになっていく。

 今年見たミステリ映画の中での最高傑作。

 

ロスト・ボディ [DVD]

手紙は憶えている(字幕版)