FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

侵入者 消された叫び声/アダム・マッセイ監督

 タイトルからはサスペンスなのかホラーなのか、今一つ想像がつきにくいかもしれないが、それは見てからのお楽しみとして内緒。
 精神を病んだ母が自殺し、ぎくしゃくとした関係の父と田舎の広い家(当然いわくつきの家である)に引っ越したヒロイン。そこで様々な恐ろしい行為を経験するも、誰も信じてくれずに孤立し、さらに恐ろしい目に遭う……という「忌まわし家」ものの映画のテンプレートのような設定・ストーリー展開ではあるものの、その中では一定に水準に達している。
 前述の通り、サスペンスで落とすのかホラーで落とすのか、なかなか分からずもどかしいところが魅力の一つだ。そして登場人物の誰もがうさんくさい。もしかしたら友人になれるかもしれない少女の父親は、ある事件の容疑者でうさんくさく恐ろしいし、もしかしたら恋人になるかもしれない青年もあやしい。
 それほど後味が悪くないし、最後の最後にはお約束のあれもある。
  過剰な期待はできないが、ホラー映画ファンなら見ても良し。