声/アーナルデュル・インドリダソン
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面白かった!邦訳第一作『湿地』、二作『緑衣の女』より面白かった。ルース・レンデル『街への鍵』を読んでいなかったら、2015年度(2015年度に読んだ)翻訳ミステリのベスト3に入っていたかもしれない。
クリスマスシーズンで賑わうホテル。地下室で、元ドアマンだった男が殺された。サンタクロースの姿で滅多刺しにされて殺されていたのだ。
地味で目立たないドアマンは、実はかつて大変な栄光を手にしたことがあった。しかしその栄光を手にした時期と彼の年齢、そしてその栄光の内容を考えれば、よほど周囲がうまくサポートしなければ、それを失ったとき本人が荒れてしまうだろうことがいとたやすく想像できる栄光だった。そして栄光を失ったあと、彼が味わった挫折はひどいものだった。
この被害者の人生の書きようがいい。
そして犯人は誰かと、最後までずいぶんと悩まされる。
……それにしても、日本人はアイスランドでも「オタク」だと思われていたんだな。
エーレンデュルと娘の関係。そしてエーレンデュルとあの女性の関係が今度心配でもあり、楽しみでもある。
傑作。
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