死を歌う孤島/アンナ・ヤンソン
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スウェーデンの、さらに詳しく言えば、スウェーデン本土とはまた異なる文化を育むゴットランド島の犯罪捜査官マリア・ヴェーンを主役に据えたミステリ。もっとも今度は孤島が舞台で、訳者もあとがきで指摘しているようアガサ・クリスティ―の『そして誰もいなくなった』を思わせるミステリ。ただし事件関係者の七人は女性ばかりである。
邦訳としては『消えた少年』に続く二作目だが、原作ではシリーズ九作目にあたる。セラピーを受けるため、マリアやその親友カーリンを含めて七人の女性の女性が無人島に向かうのだが、この無人島に渡るまでに結構ページ数がかかる(例によって例のごとく事件関係者の私生活がみっちりと書き込まれているからだ)。
クローズドサークルの殺人事件が始まってからのサスペンス感はなかなかのものだが、犯人はこの人でも他の人でも良かったような感じだ。謎解きは、前作『消えた少年』の方が意外性があり、楽しめた。