パインズ -美しい地獄-/ブレイク・クラウチ
最後まで読んで思い出したのは、ディーン・R・クーンツ『雷鳴の館』だった。むろん核となっているネタはまったく違うのだが。
M・ナイト・シャマラン監督が映像化する予定だ、と知って、ある種の期待をしながら読み進めたが、その期待はまったく裏切られなかった。
川沿いで目覚めた一人の男。自分が誰なのかまったく分からない男の前に広がっていたのは、古き良きアメリカを具現化したような、美しく小さい町パインズだった。
男が自分の名前がバークであることや、職業がシークレットサービスの特別捜査官であること、そして行方を絶った同業者を探すため派遣されたことを思い出すが、パインズは少しづつ地獄の様相を見せ始めた。住人たちの冷たい態度。外部と取ることができない連絡。一見したところ、まったく普通の人間に見える町の人々が、バークに見せる狂気。むろんパインズからの脱出は阻止される。はたしてバークは生き延びることができるのか。
恐ろしいことに、と言っていいものなのか、作者はこの作品を三部作の第一作目と予定しているらしい。
なにも情報を入れずに読むことをお勧めしたい怪作。
余談だが、本作を読んで気に入った方は、ディーン・R・クーンツ『雷鳴の館』も読んでみて欲しい。
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