骨と翅/サイモン・ベケット
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『法人類学者デイヴィッド・ハンター』、『骨の刻印』に続くシリーズ三作目。
一作目、二作目が、どちらも人間関係が濃く、閉鎖的な土地を舞台にしており、作風も伝統的な英国の本格ミステリ風であるのに対し、舞台をアメリカに移し、典型的サイコキラーもののサスペンスを思わせる作品になっている。しかし第一作、第二作目と同じく、腐った死体や、それにたかる虫の描写を緻密に描写されている(…………)。
おそらくマンネリズムを避けるため、作風や舞台を一新させたのであろうが、舞台がアメリカの都市で、登場人物兼容疑者の多くが捜査官や、犯罪捜査に関わる医者や学者になったということで、かえってどこにでもあるサイコサスペンスになったような印象がある。そのためシリーズ一作目、二作目のような、サイモン・ベケットだけが出せる新鮮さというものにやや欠けている。
また『骨の刻印』の犯人名がしっかりと書かれているので、まだ二作目を読んでいない読者は用心するように(その犯人に与えられたトラウマに、ハンターはいまだ苦しんでいるのだ)
四作目に期待。
- 作者: サイモン・ベケット,坂本あおい
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2009/02/20
- メディア: 文庫
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