ミステリドラマ「バーナビー警部」シリーズ
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ミステリドラマ「バーナビー警部」シリーズを、今年の春辺りからちびちびと見ている。
原作は『蘭の告発』や『空白の一章』などの邦訳があるキャロライン・グレアム(これに付け加え、『うつろな男の死』と三冊しか邦訳がない。もっと進んで欲しかった)。
美しい館や庭園を舞台に、あるいは森や原野や田園風景などの自然を背景に、領主夫妻、元軍人、医師、牧師、おしゃべり好きの村人……彼らはときとして口に出せない秘密を隠し持っている……など「いかにも」の登場人物を配した、ややわざとらしいほど英国らしい本格ミステリだ。
人間関係に隠された謎が事件のキーとなっていることが多く、アガサ・クリスティーの一部の小説・映像作品や、ルース・レンデルのウェクスフォード警部もののシリーズの小説作品を連想させられる(ウェクスフォード警部ものの映像化されたものは見たことがないためこう書く)。
今は第十七話「大胆な死体」まで見た。
ここまで見て、ベストスリーは、牧歌的な自然の中で暮らす、新興宗教のサークルの内部での殺人事件を描いた第五話「沈黙の少年」、血をわけた母と娘が同じ庭師の男と関係を持つ頽廃的な名門での殺人事件を書いた第十四作「庭園の悲劇」、前二つよりやや落ちるが、医師が車が跳ねたはずの村の新参者のアイルランド人が消える(生きている姿も、死んでいる姿も、見つからない)という謎を描いた第十七作「大胆な死体」だろうか。
残りも少なくなってきたので淋しい。
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