ネバダ・バイオレンス/アダム・メイソン監督
- 出版社/メーカー: アルバトロス
- 発売日: 2010/05/07
- メディア: DVD
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個性的な佳作になるそうな一歩寸前で引き返してしまったような映画。
美しく豊かな夫妻、クラークとサマー。二人はサマーの妊娠をサマーの両親に報告するため、帰省のドライブを急いでいた。家にサマーとサマーの前夫の息子、五歳のベンの息子を残して。
ところが砂漠の真ん中で車は大破。怪我をした二人が歩いてさ迷いこんだ先も廃墟。そこに現れたのは、神や真理をしきりに口にする謎めいた男、ジョセフ(……二人とはっきりと顔を合わせる前、モーテルの従業員を不思議な力で殺している……)。彼は一見夫妻の救出に協力的のように見えたが、その言動は非常にうさんくさかった。
神の使いを名乗り、サマーに必要以上に近付こうとし、クラークを罪人と決め付け、「真理の告白」を見せる。
このクラークとの「罪」とやらが、ぼんやりとしか示されていないので、どうも物語の焦点がはっきりとしないものとなっている。ただ物語と見せ方はうまく、最後まで緊張感を持続させている。特にクラークとジョセフ、サマーが別行動となってから、夫妻の車のトランクからあるものが見つかるくだり、それからサマーに危機が襲いかかるまでの流れはとても良かった。
「この映画はまあまあだけど、この監督が作った別の作品はもっと面白いかも」とは思わせる。