ネスト/エステバン・ロエル 監督、 フアンフェル・アンドレス監督
偶然ながら、マイケル・ポーリッシュ監督『パーフェクト・メモリー』(http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20151122)
に続き、またもや男性が女性に監禁され、恐怖の底に陥れられる映画を見た。
『パーフェクト・メモリー』はアメリカの映画だが、『ネスト』はスペインとフランス(舞台はスペイン)映画である。
アパートで暮らす二人の姉妹。妹はごく普通の少女だが、姉は狂信的で、妹が異性と付き合うのを好まず、もし男性とデートでもしようものなら鞭で打つなど厳しく罰してきた。しかも姉はアパートからほとんど一歩も出られない心の病を負っていた。もっとも姉は自宅でドレスの仕立て屋として生計を立てており、他人とまったくコミュニケーションが取れないわけではない。
そんな姉の前に、訳ありらしい、怪我を負った男性が現れた。妹への、男には決して近付くな、という言葉はどこへやら、彼女はほとんどなにも聞かないまま、あっさり家の中に入れた。そして家のベッドを提供してやる……そして男に待っているのは監禁生活だった(この得体の知れない男をあっさりと彼女の自宅である「巣」に入れてしまう唐突な行動が、姉の歪みを表わしている)。
狂った姉と、まともな妹と、怪我を負ったまま姉に監禁された男。彼らの先にがなにが待っているのか。
姉の狂気の原因と合わせ、この三人の末路を想像するのはたやすいが、姉役の女優の怪演もあり、なかなか見られるサイコサスペンス映画に仕上がっている。
スペイン映画独特の雰囲気もあり。