FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

交霊/ラーシュ・ケプレル

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 スウェーデンの警察小説にしてサイコサスペンス。『催眠』、『契約』に続く三作目で、『催眠』はラッセ・ハルストレム監督が映像化されているが、まだ見ていない。
 舞台はスウェーデンで、この国が抱える複雑な移民問題を象徴するように、主人公のヨーナ・リンナ警部はフィンランド人の男性である。作中で起きる事件とその解決もなかなか面白かったが、終わりの方に出てくるリンナ警部の過去は驚くべきもので、ある意味では本作でもっとも印象に残ったエピソードだった。シリーズの最終巻でこの過去の決着がつくのだろうと予想される。
 問題行動の見られる少女達の自立を支援するホームで、凄惨な殺人事件が発生した。収容されていた少女の一人ヴィッキーが失踪し、警察に容疑者と目され、追われることになる。ヴィッキーの逃避行に、幼児誘拐事件も絡んでくる。この極めて現実的な問題に、事件の秘密の一端を言い当てることのできる霊媒の女性が関わってくる(なぜ言い当てることができるのか、自分でもよく分からない)。
 犯人当ても楽しめるし、霊媒の謎にも膝を打つ。真犯人の末路、その最期を引き起こしたある登場人物の行動がすさまじい。
 第二作『契約』は「国際的陰謀」や「武器密輸」などの苦手な題材が出てくるので読んでおらず、偉そうなことは言えないのだが、サイコサスペンスとポリティカルスリラー、シリーズで相互に出していくのだろうか(ということは、四作目はポリティカルスリラーになるのか?)

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