アパートメント1303号室/ミシェル・タヴェルナ監督
- 出版社/メーカー: アメイジングD.C.
- 発売日: 2014/05/02
- メディア: DVD
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良くも悪くも、典型的な「憑かれた家」(規模はアパートの一室だが)ものの作品で、途中で眠たくなるとか、見るのをやめたくなるとか、そう言ったことはなく、そこそこ楽しめた。しかし、とりたてて強い印象を与える要素はなく、なんの根拠もないが、二ヶ月ぐらい時間が経過したらなにもかも忘れてしまいそうだ。
及川中監督『1303号室』のリメイクで、原作は大石圭『1303号室』。不勉強ながらどちらにも見たり読んだりしていない。
過去の栄光……本当にあったのか?……にすがり、アルコールすがり、情緒不安定で、二人の娘に暴言を吐く、いわゆる「毒になる親」たる母親から逃げ、新しい住居で念願の一人暮らしを始めた若い女性。しかし、この部屋では異常な現象ばかりが起き、そのうえ管理人や隣人の少女など、住人は不気味だった。
そう、この「1303号室」は住人が次々と謎の投身自殺を遂げていく、曰くつきの部屋だったのだ。やがて女性は死に、妹の死の謎を解き明かすため、姉に当たる女性が引っ越してくる。
そして姉の身にも、災いは降りかかる。母親のふるまいに苦しみ、妹の死を嘆き悲しみながら、怪異に立ち向かう。
超常現象の場面よりも、ヒロイン姉妹の母親の異常さ(とこの母のもとに娘達を置いて、おそらくは逃げた父親の非情さ)と、こういった両親を持つがゆえ、ヒロイン姉妹が受ける辛酸を描いた場面に実にリアリティがあり、怖い。多分このヒロイン姉妹の育った環境とどこか似ているからこそ、あれに姉妹の双方が巻き込まれることになったのだろうか。