FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

リヴィッド/モーリー監督、バスティロ監督

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 文字が入りきらなかったが、ジュリアン・モーリー監督、アレクサンドル・バスティロ監督の作品だ。
 期待していたフランシス・フォード・コッポラ監督『Virginia/ヴァージニア』がいま一つだったので不安だったのだが、こちらは期待をはるかに上回る出来だった。 妊婦を襲う惨劇を描いたホラー映画『屋敷女』で、すでに日本のホラーファンに知られている監督コンビだが、不勉強ながらそちらはまだ見ていない。
 フランスの映画である。英米のゴシックホラー映画とはまた異なる味わいと、耽美性がある。映像が美しく、小道具の使い方がうまい。そして小道具の使い方がうまいので、怖い。ジェームズ・ワトキンス監督『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』では木彫りの三猿の像やぬいぐるみの一群が恐怖を巧みに醸造していたが、この映画では「お茶会の仲間」が恐ろしい。どんな仲間なのか、そしてどんな効果をあげているかは実際に見て確かめて欲しい。
 そして冒頭のシーン。ハロウィーンの夜、これから車で泥棒に出かける三人の男女。その車を、異形の仮面で顔を隠したもの達が声もなく取り囲む。追い払い、車を発進させたあと、地面で本当の炎が入った三つのランタンが地面で燃え尽きていく。あたかも三人の末路を示すように。
 他にも月光や鬼火や懐中電灯の青白い輝き、懐中電灯の光によって壁に映し出される屋敷の階段の模様、白いコスチュームに鮮血など美しくおぞましい場面がいくつもある。
 子供の謎めいた失踪が続く、フランスのある漁村。かつて厳格なバレエ教師として知られていた老婦人ジェセル。現在、彼女は自宅である、森の奥の壮麗な白い屋敷で、寝たきりの老人として介護を受けている。そして富豪である彼女の屋敷には宝が眠っているという噂だった。泥棒として夜中の屋敷に忍び込んだ三人の男女の前に、この世ならざるものが次々と現れることとなった。
 また一つ、忘れがたい館が舞台のホラー映画が現れた。
 次は同じ監督コンビの『屋敷女』を見るぞ。

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