愛を知らない侯爵/アン・ヘリス
- 作者: アンヘリス,Anne Herries,高田ゆう
- 出版社/メーカー: ハーレクイン
- 発売日: 2008/06
- メディア: 新書
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表紙の左端にハートマークが描かれ、その中の「おすすめ」の言葉があるのだが、それが書かれているだけあって本当に面白かった。
タイトルや表紙からすると、甘い甘いヒストリカルロマンスのように感じられるが、実際にはアクションシーンや冒険小説を思わせる場面も多い。同じくコーンウォールを舞台にしているせいか、ダフネ・デュ・モーリアの『埋もれた青春』(アルフレッド・ヒッチコック監督が映画化しており、そのときのタイトルは『巌窟の野獣』)を思わせる。
元軍人、マールベック侯爵アンドルー・ベックは、フランスと内通しているスパイの正体を突き止め、裁きを受けさせるため、コーンウォールに向かった。彼らはかの地で、イギリス人やフランス人とともに、密輸団をカモフラージュしながら、イギリスの機密情報を探り、流しているらしい。
一方、司祭である父を失った娘マリアンは、同じく残された母や二人の妹とともに生活に困ることになった。とりあえず伯母の元に身を寄せることになったが、大叔母であるレディ・エッジワージーが病に倒れたと聞き、やはりコーンウォールへと向かう。そして大叔母の周囲にいる誰かが、大叔母の命を狙っていることを知る。犯人を突き止めようとするマリアンだが、中途で正体を隠したベックと知り合い、互いに惹かれ合っていくのだ。
あとはニコラ・コーニック『愛されぬ花嫁でも』同様、ロマンス&アクションのエンターテイメントの世界が広がっている。前述の通り、活劇の場面が多いので、他のロマンス小説の比べて、恋愛要素はやや控えめかもしれない。
アン・ヘリスは初めて読む作家。ヒストリカルロマンスの中でも、ハーレクイン・ヒストリカルはあまり読んだことがなかったのだが、ニコラ・コーニックやこのアン・ヘリスなど素敵な作家がたくさんいそうだ。
- 作者: ダフネ・デュ・モーリア,大久保康雄
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 1966
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- 出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー
- 発売日: 2007/08/24
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