FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

魔邸/三津田信三

魔邸

 

 『禍家』、『凶宅』に続く<家三部作>の掉尾。幼い少年が新たな環境、新たな家に足を踏み入れ、怪異と遭遇する(ミステリ要素もあり)という基本的な骨格は同じながら、先二作はやや毛色の違う印象を受け、「真に恐ろしいのは・・・・・・」と言いたくなるところがある。
 十一歳の優真は、母の再婚相手である義父の仕事の都合で、一時期大好きな叔父の別荘で暮らすこととなった。別荘は森に囲まれていた。優真同様の幼い少年が神隠しに遭った森だ。そして優真が家の中で、住人以外のなにかの気配を感じるのである。
 秀作。ラスト一行でぞっとさせられるし、ミステリ的趣向もよく効いている。

 

禍家 (角川ホラー文庫)

凶宅 (角川ホラー文庫)