雪と毒杯/エリス・ピーターズ
「修道士カドフェル」シリーズの作者による本格ミステリ。修道士カドフェル」シリーズは物語としては面白いけれど、ミステリ部分が弱いのが不満だった。しかしノンシリーズであるこの作品は謎解きの醍醐味を読者に与えてくれる。
オペラ界の伝説的な歌姫が死に、歌姫の関係者ばかりが乗ったチャーター機が山の中に不時着することになる。小さなホテルという宿に宿泊することができた。そこで亡き歌姫の遺書が公開され、限られた登場人物の中で殺人事件が発生する。
一九六〇年に発表された作品だけ古風な印象はあるが、(繰り返すことになるが)謎解きが楽しめ、恋のさや当てが楽しめ、ユーモアが楽しめる。
とても楽しむことが出来たミステリ小説の秀作だった。