FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

愛のメモリー/ブライアン・デ・パルマ

 『アンタッチャブル』、『ミッドナイトクロス』、『ファム・ファタール』、そして『愛のメモリー』。デ・パルマの作品を見るのは4作目だ。『ボディ・ダブル』は見ようとしたことがあるが、中途で投げた。
ファム・ファタール』もある意味では忘れられない作品だが、さらに忘れられないのは『ミッドナイトクロス』で、「え、それをそこで使って映画を終わるの?」という大きな衝撃が今も心の内側に深く刻みつけられている。生きているうちにどれほどの数の映画を見ようが、あまり出くわすことのない類の怪作だと今でも判断している。
 このたび見た『愛のメモリー』は、私の偏見かもしれないが、デ・パルマ作品として際物ぶりがあまり感じられず、どちらかと言えば上品なサスペンス映画である。
 アルフレッド・ヒッチコックから影響を受けたデ・パルマらしく、ヒッチコック監督の『めまい』や『レベッカ』を思わせる内容で、真相や黒幕の見当はつくものの、それでもただの模倣に終わらぬ独特の魅力があり、特にクライマックスの場面がいい。
 アメリカ南部の富豪マイケルはパーティーの晩、妻と幼い娘を誘拐され、失った。それから十六年ののち、イタリアを訪れた彼はなくした妻そっくりの女性と出会い、惚れ込み、花嫁とするためアメリカに連れて帰る。しかし、再び妻となるはずの女性が誘拐されるのだ。
 マイケルはアメリカ南部の大富豪という設定なのに、屋敷が小さく安っぽいのが残念だった。ここはもっとゴージャスに行こうよ。

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↑下の2作品の怪作ぶりが今も忘れられない