愛のメモリー/ブライアン・デ・パルマ
『アンタッチャブル』、『ミッドナイトクロス』、『ファム・ファタール』、そして『愛のメモリー』。デ・パルマの作品を見るのは4作目だ。『ボディ・ダブル』は見ようとしたことがあるが、中途で投げた。
『ファム・ファタール』もある意味では忘れられない作品だが、さらに忘れられないのは『ミッドナイトクロス』で、「え、それをそこで使って映画を終わるの?」という大きな衝撃が今も心の内側に深く刻みつけられている。生きているうちにどれほどの数の映画を見ようが、あまり出くわすことのない類の怪作だと今でも判断している。
このたび見た『愛のメモリー』は、私の偏見かもしれないが、デ・パルマ作品として際物ぶりがあまり感じられず、どちらかと言えば上品なサスペンス映画である。
アルフレッド・ヒッチコックから影響を受けたデ・パルマらしく、ヒッチコック監督の『めまい』や『レベッカ』を思わせる内容で、真相や黒幕の見当はつくものの、それでもただの模倣に終わらぬ独特の魅力があり、特にクライマックスの場面がいい。
アメリカ南部の富豪マイケルはパーティーの晩、妻と幼い娘を誘拐され、失った。それから十六年ののち、イタリアを訪れた彼はなくした妻そっくりの女性と出会い、惚れ込み、花嫁とするためアメリカに連れて帰る。しかし、再び妻となるはずの女性が誘拐されるのだ。
マイケルはアメリカ南部の大富豪という設定なのに、屋敷が小さく安っぽいのが残念だった。ここはもっとゴージャスに行こうよ。
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2004/01/30
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 64回
- この商品を含むブログ (73件) を見る