偽りの襲撃者/サンドラ・ブラウン
最近翻訳されている小説がどれもとても面白いサンドラ・ブラウン。2015年に出版された『さまよう記憶』もロマンス小説としても、サスペンス小説としても、とても面白かった。この『偽りの襲撃者』は『さまよう記憶』のように意外な事実が次々と発覚、読者の度肝を抜くようなストーリー展開ではないが、強いサスペンス性でぐいぐいと読ませる。もちろんロマンスも熱い。
養育権を審議する法定が襲撃され、廷吏の一人が殺された。犯人は警察によって銃殺されたが本当に狙われたのは誰で、理由はなんだったのか、謎のままだ。襲撃現場に居合わせた女性判事ホリーと、彼女を助けたクロフォード。クロフォードは幼い娘の養育を巡り、亡き妻の父母と争っていたのだ。この襲撃事件の謎を追い、クロフォードとホリーの調査は続く(もちろん二人の間のロマンスも)。
秀作。