ザ・コレクター ~監禁地帯~/ラウロ・チャートランド監督
いかにもB級ホラーという邦題の映画だが、実際にB級ホラーである。トビー・フーパー監督『悪魔のいけにえ』以来、ホラー映画ではお馴染みの「若者グループが田舎に足を踏み入れてしまったら、そこが殺人鬼の跳梁跋扈する土地で……」というもので、良い部分も悪い部分も後半に詰まっている。この映画の場合、舞台となる田舎はアラスカの山の中である。
寂れた山中の炭鉱町。山火事とがけ崩れで孤立したドライブ旅行中の若者グループは、ガソリンスタンドの二人の老婆が危険だと止めているにも関わらず、廃墟へ足を踏み入れる。そこには当然殺人鬼の棲み処で彼らは一人、また一人と生命を失っていく。
ありふれた設定のホラー映画だが、後半のガソリンスタンドの場面からの疾走感はちょっといい。欠点は前述の通り、危機にみずから頭を突っ込んでいる登場人物たちの造形で、不必要なことをして被害を増やすヒロインの造形はがっかりさせられる。この欠点を流せるならばそこそこ面白いB級ホラー。