FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

アメリカン・ゴシック 偽りの一族

アメリカン・ゴシック 偽りの一族 DVD-BOX

 

 今年はミステリ運がついているようだ。とても面白いミステリ小説をたくさん読むことができたし、ミステリ映画、ミステリドラマにも良質のものを多く見ることができた。この『アメリカン・ゴシック 偽りの一族』もその一つ。

 全12話、DVD6枚の続き物のミステリドラマである。

 最初は濡れ場の過激さが売り物のドラマかと思っていたが、最後に近付けば近づくほどミステリとして興味が増していく。明らかになった犯人、そして犯人を示す随所に張られた伏線、伏線とはまったく気づかず、目で見て耳にも入れていたのに、気にも留めず流してしまったあれらこれらに「ああ」と言わされる。

 

 オリオル・パウロ監督『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』も伏線の仕込みが良かった。

 

hachibinoneko.hatenablog.com

 

 

 さて『アメリカン・ゴシック 偽りの一族』である。

 アメリカ、ボストン。ボストンの富裕階層の人間を椅子に拘束して絞殺し、傍らにベルを置いて去る連続殺人鬼シルバーベルキラー(通称SBK)が人々を戦慄させていた。

 14年後。名家ホーソーン家。コンクリート産業で財を成してきた彼らだが、父が倒れ、14年失踪していた長男が戻ってくる。そして父は死に、様々な理由からホーソーン家の人々はSBK一家の誰かだったのではないかと疑われるようになり、また一家でも互いに互いを疑うようになる。

 そしてお約束通り、SBK再来のような殺人事件が起きるのだ。

 最後のあれはあってもなくてもいいが、満足度の高い作品。