FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

クロノス/ギレルモ・デル・トロ監督

 ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%AD

 によると、ギレルモ・デル・トロの名前が初めて監督・脚本家としてクレジットに出た作品。
 吸血鬼映画の佳作である。
 何百年も前、時計職人でもあり、錬金術師でもあった男が作った絡繰りの黄金虫。それは持ち主を、脚で刺した相手を吸血鬼に変えることで、永遠の生命を授ける力を持っていた。メキシコで骨董店を営む老紳士ヘスシは、自分の店内にあった黄金虫にうっかりと触れ、三対の脚で刺され、人ではないものに変貌していく。
 悪漢との黄金虫(が秘める不老不死の力)の争奪戦がメインのあらすじだが、同時にゴシックホラーの香りも強く漂っている。機械仕掛けの黄金虫は外見こそエレガントだが、その虫そのものの凶暴性と隠し持つ神秘の力は恐ろしい。
 またギレルモ・デル・トロは子供を描くのがうまい監督で、この『クロノス』でもへスシの孫娘、無表情な幼女アウロラがとても可愛らしく、物語の中でも重い役割を担っている。彼がのちに発表する『パンズ・ラビリンス』のオフェリアをちょっと思わせる。