生と死にまつわるいくつかの現実/ベリンダ・バウワー
生と死にまつわるいくつかの現実【電子書籍】[ ベリンダ・バウアー ]
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- 価格: 1,048円
これ猟奇的な連続殺人を描いたサスペンスであると同時に、悲痛な少女の成長物語である。こちらの勝手な想像だが、物語の幕が下りてからも少女の悲痛は続くであろう。しかし最後で彼女がとても強くなり、世界を本当の意味で見ることにできるようになったのが救いだ。
英国南西部デヴォン。ここでちょっと奇妙な連続殺人が続いていた。目だし帽の犯人に囚われた女性は裸にされ、母親と連絡を取ることを強制され……そして殺される。
小さな村ライムバーンでは、10歳の少女ルビーの父親ジョンが民警団を立ち上げ、犯人探しを行おうとしていた。パパ大好きなルビーは、勇敢な助手を務めるつもりでいた。パパが無職になってから、母アリスンがレストランのシェフをして必死で家計を支えているが、父母の間に喧嘩が絶えないようになっていった。父は、同好の士と「カウボーイごっこ」に熱中するため、たまにカウボーイに関する高価な品を購入してしまう。それで母とさらに喧嘩になってしまうこともあるが、ルビーは父が好きで役に立ちたかった。そして父と一緒に車に乗り、町の見回りをすることなった。しかし犠牲者が増えるばかりで、肝心の犯人が捕まらない。
ラストに救いがあるとは言え、気の滅入るお話である。この言葉はあまり好きではないが、やはりイヤミスだと呼ばせてもらおう。
秀作。