FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ウーマン・イン・ブラック2 死の天使/トム・ハーパー監督

 正統派ゴシックホラー映画『ウーマン・イン・ブラック』
http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20121211
の続編である。『ウーマン・イン・ブラック』はスーザン・ヒルの傑作ゴシックホラー小説『黒衣の女 ある亡霊の物語』が原作だが、この続編にも原案にスーザン・ヒルが関わっていると言う。
 前作から40年後、第二次世界大戦後のイギリス。ロンドン空襲から逃れるため、幼い子供たちを連れて疎開することになった女性教師2人。しかしその疎開先は、かのイールマーシュの館。当然亡霊が現れ、教師と子供たちは戦争とはまた異なる恐怖に囚われる。
 それなりに美しいゴシックホラー映画である。だが、ただそれだけの映画かもしれない。『ウーマン・イン・ブラック』はストーリー展開自体に奇をてらったところはないが、風景や小道具は文句なく美しく忌まわしく、音響も観客に恐怖を植え付けることに貢献していた。
 『ウーマン・イン・ブラック2 死の天使』はゴシックホラー的な美しさという点では及第点だが、恐怖という点ではさらに物足りない。時折画面全体が暗くてよく見えないところがある。音響効果という点はまったくだめだ。
 風景がちょっと美しいホラー映画。ほとんど怖くない映画でもある。

↑ゴシックホラー小説の傑作。映画もおススメ。