FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ヴィジット/M.ナイト・シャマラン監督

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 実はM.ナイト・シャマラン監督の作品を初めて見る(実際に見ていないのに関わらず、内容を最後まで知っている作品はいくつかある)。古風な、いっそレトロな、と表現したくなるようなホラー映画だったが、なかなか面白かった。
 特に狂気の見せ方がうまい。裂けたスカートからみえたお尻。元より下着をつけていなかったのか、スカートとともに裂けてしまったのか分からないが、本人がまるで気にしていなかったあれ。まだ見ていない人はなにを言っているかさっぱり分からないかもしれないが、あの場面は「ああ、この人は狂っている!/ボケている!」という衝撃を感じさせるに十分なインパクトがあった。
 ヴェロニカ・フランツ監督、ゼヴリン・フィアラ監督『グッドナイト・マミー』(http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20160505)と同じく、この作品もまた子供の原始的な恐怖の1つのパターンを表現したものである。すなわち、自分の家族であるはずの、「あの人/あの人たち」は本当に心優しい家族なのだろうか、と。
 ベッカとタイラーの姉弟は、休暇を利用して祖父母の家に遊びに行くことに。母親が父親になる男と駆け落ちしてから、母は祖父母と絶縁していた(というより、祖父母から絶縁されていた)ので、子供たちは祖父母と顔を合わせるのは初めてだった。
 優しく美しく上品な祖母。無骨だが頼りがいのありそうな祖父。子供たちの滞在は順調な滑り出しだった。しかし次第に暗雲が立ち込めていく。祖父母の言動がおかしなものへとなっていったからだ。これは単に年齢からくるものなのか。それとも……。
 初のM.ナイト・シャマラン監督の映画。美味でした。次はなにを見よう。