FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

AliceNightmare アリスナイトメア(下)/創作サークル.aihen様



以下ネタバレになっていますので、まだプレイされていない方はお気を付けください。




 このゲームには12のエンディングがあり、作者様のブログに攻略のためのヒントが掲載されている。登場人物の男性とのハッピーエンドを迎えることもできるゲームだけど、残念ながらヤンデレの「お兄様」クリストファー・アーネストは攻略対象外。彼とのハッピーエンドはない。ただしバッドエンドは山のようにある。
 事実は父である伯爵が想像していたのは逆だった。不義の子はクリストファー・アーネストの方であり、アリス・シャロットは正真正銘伯爵の娘だった。妹、いや妹として以上に愛するアリス・シャロットへの虐待を見かね、クリストファー・アーネストは伯爵にこの事実を教えてから、自殺に見せかけて殺す。これが主な基本ストーリーで、あとは色んな方向に分岐していく。
 アリス・シャロットがあらゆる真実を受け入れ、自立した大人の女性になるエンディングや、さらにダークなものだとアリス・シャロットが、双子の妹は自己が作り出した架空の存在であり、両親に愛されず虐待を受けているのが自分だという、現実を受け入れられず自殺する(私は最初にたどり着いたエンディングがこれだった)、もしくは自分を愛してくれず、一人だけ完全な狂気に逃げ込んだ母に絶望、母親殺しを行ってしまうものまで多岐にわたる。
 一番好きなエンディングは、アリス・イヴリンの人格がアリスのすべてになってしまい、伯爵家の暗い事実をみな掌握したのち、しれっと伯爵家からの逃亡を企てる悪女エンディング。
 男性との恋愛絡みのハッピーエンドだと、幼馴染で天才ピアニストのクライドとのそれが王道で清々しいものだった。
 傑作。