ワタシヲ赦サナイ/STUDIO KOALA 吉良(きよ)
つくづく恐怖とは見せよう、演出が肝心なのだと思い知らされた短編フリーゲーム。忘れ物を取りに、夜の学校に潜り込んだ少女達が怪異に巻き込まれるという、ありふれて、ありふれて、もうどうしようもないほど凡庸なストーリーなのだが、それでもびっくりするほど怖かった。私はこれまで結構な数のホラーフリーゲームをプレイしているにも関わらず、である。
懐中電灯で照らし出される範囲でしか見て取ることのできない、狭い視界はいやがおうにも不安をかきたてる。家族や友人からの電話やメッセージを伝えてくれるはずの頼みのスマホを覗けば、そこにも怪異は宿っている。次第に少女たちは追い詰められていくが……。
長編ホラーフリーゲーム史上に残るのではないかと思われる、3色ぱんさん製作の『狂い月』(http://3colorsbread.web.fc2.com/kuruiduki/index.html)の次にプレイしたのだが、どちらも紛れもない傑作。とても出来の良いフリーホラーゲームに次々と当たり、ちょっと幸福。
作者様のサイト
http://www.geocities.jp/studio_k0ala/index.html