FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

呪い襲い殺す/スタイルズ・ホワイト監督

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 この冴えない邦題のため、スルーしているホラー映画ファンも多いのではないだろう。ちなみに原題は゛OUIJA(ウィジャ)゛。この原題があまりにあっさりしすぎているから、この邦題をつけたのだろうか。
 ゛OUIJA(ウィジャ)゛とは、降霊会のときに使う文字の書かれたボードのことで、日本では「コックリさん」をするとき、文字の書かれた紙を使うことが多いと思う。
 ティーンエイジャーがたくさん出てきて、そしてたくさん死んでいくB級ホラー映画の王道を行くような作品なのだが、そこに不気味な「ウィジャボード」の謎が絡み、なかなか面白い作品に仕上がっている。
 幼馴染であり、親友でもあった少女の、あまりにも唐突な自殺。違和感と、そして「自分は違った行動を取っていれば、親友は死を選ばなかったのではないか」という罪悪感から、ヒロインは友人達を集め、親友の言葉を聞くためにウィジャボードを使い、亡き親友の霊を呼び出そうとする。
 当然このあとから惨劇が始まるのだが、「ウィジャボード」という古典的なアイテムを使ったことや、惨劇の真の原因など面白く、ちょっといいホラー映画である。
 降霊会をやりたい人間たちが指を乗せ、文字の書かれたウィジャボードの上を滑らせるための小さな板をプランシェットというのだが、この映画ではそのプランシェットにガラスが嵌め込まれており、周囲に違和感を覚えた登場人物たちがそのガラスを覗くと、目の黒い部分のみがガラスいっぱいに映し出されるという演出があり、そこが不気味で良かった。