サンゲリア/ルチオ・フルチ監督
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生まれて初めて見るルチオ・フルチ監督の作品である。ルチオ・フルチと言えば、「えぐい、とにかくえぐい、そしてストーリーが理解不能」という評判を聞いていたので、いささか警戒しながら見たのだが、これはわりとストレートなゾンビ映画だった。
話の展開にも、とりたてて分かりにくいところはない。
失踪した父親を探しに、若い女性が、特ダネを狙う記者と海に出る。目指す島を探すため、若いカップルのクルーザーに同行させてもらうこととなった。
だが当の島では、奇病が蔓延していた。死者が凶暴なゾンビとして蘇るのだ。
ヒロインの父親の友人である医師が看護師とともに奮闘していたが、やがて……。
前述の通りゾンビものの王道を行くストーリーである。確かに海中で鮫と戦うゾンビはなかなかいないかもしれないが(彼らは泳げたのか。余談だが、ダン・オバノン監督『バタリアン』ではゾンビは車の運転や無線の使用ができることになっている)
グロテスクさは折り紙付き。そのグロテスクぶりは「蛆やダニ、死体損壊、カニバリズム」といった単語から察して欲しい。
このジャンル特有の絶望感と虚無感もよく漂っている。
傑作。
幕が上がると、原題と思しき『ZOMBI 2』が目に入り、あれっと思った。
どうも検索して出てきたエピソードで察するに、この御大、創造する映画に負けぬほど強烈な個性の持ち主だったようだ。
ザンゲリアのウィキペディア。フルチ監督の個性がうかがえる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AA%E3%82%A2
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↑『サンゲリア』を含むの三部作の、他二作。こちらが分かりにくい映画なのだろうか?