オペラ座 血の喝采 完全版/ダリオ・アルジェント監督
『オペラ座 血の喝采』のノーカット版である。実はノーカットじゃない版を見ていないので、完全版との違いがよく分からない。
無名のヒロインがその歌唱力で頭角を現すというガストン・ルルー『オペラ座の怪人』めいた出だしで始まるが、こちらの怪人はヒロインを害し追い詰める気満々である。
イタリアのミラノ・スカラ座で、ヒロインの女優が交通事故に巻き込まれたため。急遽新人のベティに白羽の矢が立つ。一夜にして人気者となるベティだったが、周囲でそれはそれは酷い殺人事件が起こり、しかもベティは知人が被害者であるそれらを見るように強制され、目と神経にダメージを負う。
グロい。
アルジェントの映画だから、というのを差し引いてもこの『オペラ座 血の喝采』はグロい。
相変わらず美少女が散々な目に遭っている。
しかしあの針の拷問、最初はわりと動揺するが、二度やるのはくどい。
かの監督の作品群の中でも出来がいい映画とは言い難いが、凄惨な殺人場面はホラー映画ファン、アルジェントのファンには一見の価値あり。