アナベル 死霊館の人形/ジョン・R・レオネッティ監督
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ジェームズ・ワン監督『死霊館』(http://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/20131016)にも登場した呪いの人形アナベルの物語である。『死霊館』の前日譚だ。
良く言えば手堅くまとまった、悪く言えば意外性のなに一つない物語だ。『死霊館』のような恐怖のひたすらな連打もない。冒頭の男女が家に押し入ってくる場面にはわりと動揺させられるし、全編に渡って映像の質の高さは感じられるのに、なにより人形の造形が怖いのだから、もっと物語として練られていてもいいと思うのだが。
夫は研修医、妻は妊娠中の若夫婦。ある日、夫が妻にプレゼントしたのは人形(妻はとても喜んでいるが、はっきり言ってすごく不気味な代物だ)。この夜、カルト教徒のかぶれた男女がこの幸福な家庭に押し入る。夫婦は生命を取り留めたものの、謎めいた現象に襲われるのだ。
ただマイク・フラナガン監督『オキュラス/怨霊鏡』と並び、この映画でいい点は近頃あまり見ない「呪われしもの」テーマを扱っていることだ。『オキュラス/怨霊鏡』はタイトルで分かるよう、持ち主に不運と破滅を運ぶ鏡をテーマとしている。はるか昔からこの現代にいたるまで、「幽霊屋敷」テーマや殺人鬼が登場するスラッシャー、「ゾンビ」もの、「吸血鬼」ものなどは、傑作からB級に至るまで多種多様な作品が造られているが、「呪われしもの」テーマの扱いはどうも下火だ。
家や土地以外で呪われたもの、特に小道具が登場するホラー映画はもう少し作られていいと思うし、個人的にも好きな点なテーマなのでもっと見たい。
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