FAIRY TALE

ハンドルネームは八尾の猫です。耽美と翻訳ミステリが大好きです。旧ブログはhttp://d.hatena.ne.jp/hachibinoneko/、メールアドレスはaae22500@pop21.odn.ne.jpです。

ホーンテッド 月下の恋/ルイス・ギルバート監督

月下の恋 [Blu-ray]

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 過去に一度見たことがあり、またジェームズ・ハーバートの原作も読んだことがあるため、ラストも含めて内容は知っていた。
 だが改めて見直し、その気品、その華麗さ、その恐怖に感嘆した。ゴシックホラーの完成形の一つである。あまり書くとネタバレになってしまうが、あるミステリ的驚きが終盤で待っている。
 幼い頃、双子の妹ジュリエットを川で失ったつらい経験から、インチキ交霊術を暴くことを己の使命としているデヴィッド教授。彼は心霊現象に悩まされているという女性から手紙を貰い、イギリスの自然豊かな土地にある壮麗な館を訪れる。
 住人は美貌の令嬢クリスティーナと彼女の二人の兄、そして老女「ばあや」。実はこのばあやこそが怪奇現象を訴えている張本人なのだが、なぜかひどく怯えており、デヴィッドに詳しい事情を打ち明けない。
 子供がそのまま大人になったような兄妹三人の奇矯な言動に当惑させられる一方で、デヴィッドはクリスティーナと恋に落ちていた。そしてこれまで彼が否定してきた本物の怪奇現象が眼前で起こるのだ。
 いとも典雅な幽霊屋敷映画。もっとも最後は「幽霊屋敷」ものではすまなくなるのだが。
 こういった豪奢なゴシックホラー映画がもっと作られないものか。
 製作総指揮者の一人は、フランシス・フォード・コッポラ